高血圧5 – 高血圧と脳卒中

脳卒中は医学的な緊急事態であり、脳血管の閉塞または出血により脳血流が途絶えたときに起こる。死亡率は世界的には2番目に高く、米国では5番目である。症状が出現したら一刻も早く診断治療をした方が生存率は良い。

症状
脳の罹患部位により異なった症状が見られる。よく見られる症状としては
・失語 – 言葉がうまく使えない 言葉が出ない
・霧視(むし) – 目がぼやける、かすんで見える
・複視(ふくし) – ひとつのものが2つに重なって見える
・錯乱 – 認知能力(思考、学習、理解)が低下し、時間や場所、状況の認識が不正確になった状態
・昏睡 – 呼びかけたり叩いたりしても反応しない
・浮動性めまい – 足がふわふわする、頭がぼーっとする、まっすぐ歩けない
・回転性めまい – 自分が回っている、周囲がぐるぐる回っているように感じる

・頭痛(通常は突然強く起こる)
・運動失調 – 歩行時のふらつき、手の震え、呂律が回らない
・健忘(けんぼう)- 過去の記憶が思い出せない、新しいことを記憶できない
・気分変動 – 情緒不安定、急激な気分の変動
・急激な人格の変化 – 易怒性(怒りっぽい)、アパチー(apathy 快感、不快感、喜び、悲しみ、怒り、恥などの感情の動きがなくなる。痛み、空腹、飢餓などの身体的感情も鈍くなる)、衝動性(結果を考えずに行動する)、ひきこもり
・吐き気、嘔吐
・項部硬直(こうぶこうちょく 首がこって硬くなる)
・意識消失、失神(短時間の意識消失で自然に回復する)
・てんかん発作
・構音障害(ろれつが回らない、声が小さい、発音が不明瞭)
・急に起こる感覚異常 – 視力、聴力、匂い、味、触覚
・顔面や身体の片側が麻痺して動かなくなる

脳卒中には2つのタイプ
①虚血性脳卒中 – 血栓(血液の塊)が血管を詰まらせる
・動脈硬化
・心房細動(不整脈の一種 とくに睡眠時無呼吸を伴う場合)
・血液凝固亢進状態(血液凝固に関連する因子の異常により、血液が固まりやすくなった状態)
・心房中隔欠損、心室中隔欠損
・脳の小血管病(脳の細い動脈の劣化閉塞 ラクナ梗塞など)

②出血性脳梗塞
・脳動脈瘤(裂けるとくも膜下出血などをきたす)
・脳腫瘍
・高血圧
・モヤモヤ病(国により定義が微妙に異なります。この資料では頸動脈の一種である内頸動脈や前・中大脳動脈が狭窄、閉塞するため、細くて弱いバイパス血管が作られ、画像診断ではモヤモヤした所見が見られます。日本では脳底動脈という、脳の底部にある動脈に同様の変化が起きる病気とされています。)

一過性脳虚血発作
脳卒中と同様の症状が一過性に生じるもので、脳卒中をきたすリスクが極めて高い

脳卒中のリスク因子
・加齢 >65歳
・タバコ(電子タバコを含む。ニコチンを含まないものでも完全に無害とは言えない)
・麻薬(医療用以外、快楽を得る目的で使われる)
・アルコール依存
・コロナ感染症
・頻繁に起きる偏頭痛
・高血圧
・高コレステロール血症(脂質異常症)
・2型糖尿病

Cleveland Clinic より抜粋・編集

*個人の意見
上述の症状は脳卒中に限ったものではありませんが、リスク因子があったり急に起こる場合は可能性が高くなります。脳卒中のタイプにかかわらず、高血圧は重要なリスク因子であり、治療による予防効果が期待できます。

Dr Sumi