脊椎管狭窄症の経験

振り返れば、10年以上前から腰をかがめて草むしりをすると腰痛があった。数年前、家族で千葉県の成田山を訪ねた時、参道を歩きながら腰に軽い痛みがあった。令和8年の春、学会で福岡に行き、かなり歩いたが、なんとなく足に不安を感じた。学会から帰り、阿波踊りの練習に望んだ際、思い切り腰を落としたら、その後に右の臀部から右足の外側にかけての不快なだるい痛みが出て、立っているのがつらくなった。数日間休んでいると症状は軽くなったが、その後は症状が変動した。

令和8年7月、思い切って整骨院を受診してみた。 マッサージや腹筋強化の理学療法などを受けたが、なかなか回復に至らず、残念ながら夏の阿波踊りには踊り手としては参加できなかった。さすがにこれはダメだと思い整形外科を受診してMRIをとってもらったところ、脊柱管狭窄症との診断だった。担当医の先生も阿波踊りをされており、以下のような説明をしていただいた:

・踊りはしてもよいが、腰をそらしてはならない。腰をそらすと痛みが出る。
・症状に使える薬をいくつか紹介していただいた。

名前の挙がった薬の中で、プレガバリンというくすりが当院にも在庫があったため、試してみることにした。このくすりについては、25mg錠という最小量を1錠、寝る前の服用で始めるようにとのアドバイスだった。薬の添付文書に記載されている量(6錠相当)をいきなり服用すると、半分ほどの人は副作用で脱落するので、1週間程度飲んで体が慣れてきたら徐々に増量するように言われた。実際に薬をを服用してみると症状が著明に改善した。ただ終日忙しく動いていると若干のぶり返しがあるので、徐々に増量をして、現在は1日3錠にしている。

ある日、ご供養をしながらフッと自分が長年感じてきた心の葛藤・痛み・苦しみ・ストレスなどが頭に浮かんできた。これが症状の原因かと思い、家内にそのことを話すと、それは完璧な佼成会の考え方だと言われた。喜んでいいのか、考えなければいけないのか、そのときはよくわからなかった。

数日前、壮年部のオンライン勉強会で、機関誌に連載されている”いのち新生”という体験談の解説をさせていただいた。説法者は中年の女性で、生まれたお子さんが知的障害を伴う重度の自閉スペクトラム症と分かり苦しみ抜いたが、サンガの支えにより積極的な生き方に転じることができたという素晴らしい内容だった。

このお説法を拝読して感じたことは、病気というのは誰にもで起こるものであると認識し、自分勝手な解釈をしないことが大切だということだった。もし不摂生な習慣があれば、それを直すように努力する。一方、病気になったことにより、同じ境遇にある方の心境がわかって寄り添うことができるし、健康なことがいかに有り難いことであるかを、身に沁みて実感する。また、家族をはじめ周囲の人がどれだけ思いを馳せてくれているのかを気づくきっかけになる。

正直なところ、自分のようにフルに積極的な活動をしていれば元気でいられる、ということを証明しようという傲慢な気持ちがあった。だがそれは見事に打ち砕かれた。けれどもこのことがきっかけになり、少し速度を落とした方がよいと考えるようになった。不思議なことに、上記の薬を服用するようになってから頭の疲労感が取れた感じがする。

病気になると、こんなはずではなかったと悩み苦しむこともある。そんなとき、つらい気持ちを聞いて寄り添ってくれるサンガの有り難さはたとえようもない。

Dr. Sumi