大動脈の主な病気は動脈瘤(動脈が膨れる)、動脈解離(動脈の壁が裂ける)の2つで、どちらとも高血圧が関連します。今回は大動脈瘤について概要をお話したいと思います。
大動脈
心臓の左心室から出て骨盤に至り、成人では長さ30cm、太さ2.5cm超。

腹部大動脈瘤
・成人の腹部大動脈の直径が3.0cm(または正常の1.5倍)を超えたもの
・主なリスク因子–加齢 男性 タバコ 家族歴 高血圧 など
・瘤の増大速度は平均で毎年2.6mm程度だが、5.5cm以上になると速度が増す。
・瘤が増大するほど破裂のリスクが増し、破裂すると致命率が極めて高い。
・大半は無症状。増大が速いと周囲の組織を圧迫して腹・背・脇腹の痛みなど。
・破裂した場合、およそ半数では著明な痛み、血圧低下、腹部の白動する腫瘤を触れる。
・無症状でも5.5cmを超えたら手術を考慮
胸部大動脈瘤
・主なリスク因子–高血圧 動脈硬化 タバコ 加齢(>65) 結合組織病
・画像診断で偶然に見つかることが多い。
・瘤が大きくなり他の臓器や骨を圧迫したり, 解離や破裂をきたすと胸・背・側腹・腹部の痛みを生じる。
・症状あればすぐに手術–開胸手術または人工血管挿入。
・無症状の手術適応–瘤の大きさ 瘤の場所 増大速度 合併症 瘤の原因を考慮。
・無症状で経過を見る場合は血圧の管理が重要–β遮断剤で収縮期血圧105-120mmHgを目指す。
・上行大動脈瘤では開胸手術、下行大動脈瘤では開胸手術または人工血管挿入術。


開胸手術が原則

人工血管(ステントグラフト)を使用

主な引用元:cleveland clinic, uptodate
Dr. Sumi
