フレイルという言葉を聞くことがあるかと思います。加齢や病気により身体の機能が低下してきたイメージですが、最近目にした資料では少し深い見方がありましたので、その一部をご紹介したいと思います。
フレイルとは何か
フレイルとは病気や怪我を克服・回復する能力がなくなった状態を意味する。悪化すると機能低下をきたす。病気からの回復力は自立した日常生活を送るのに必要である。フレイルに陥ると寿命を短縮しうる。フレイルから元の健康な状態に回復できる場合もあるが、それは個々人で様々である。
フレイルは身体虚弱と同義ではなく、持久力・メンタルヘルス・脳の機能もフレイルに含まれる。フレイルとは連続したとらえ方であり、軽度から重度までを一連のものとして考える。65歳超の高齢者だけではなく、誰にでも起こりうる。
フレイルの症状
・倦怠感、体力消耗
・筋力低下や脱力感
・体の動きが鈍くなる、移動能力の低下(筋力や柔軟性の低下による)
・失禁
・人前に出たり近親者と過ごす時間が少なくなる(社会的な孤立)
・うつ
・ADL(日常生活上の動作)に介助が必要となる ー 例 食事 衣服の脱着 入浴。
・意図しない体重の減少

フレイルの原因
・短期の病気-インフルエンザ、食中毒など
・筋肉・腱・靭帯の損傷、使い過ぎによる疲労骨折
・大腿骨の骨折
慢性の原因としては
・骨粗鬆症など骨の病気
・脳の疾患-パーキンソン病などの身体の運動を妨げる病気、認知症など記憶・思考力が低下する病気
・心臓、循環器系の病気
・免疫系の病気-多発性硬化症 関節リウマチなど
・関節-関節炎 人工関節など
・代謝-肥満 やせ サルコペニア(筋肉萎縮による筋力・機能の低下) 糖尿病
・肝臓や腎臓など内臓の病気
・呼吸器 気管支喘息 慢性閉塞性肺疾患
フレイルの危険因子
・年齢 65歳超の10人に1人、85歳以上では4人に1人がフレイル。
・閉血症など重度の病気
・重症疾患の治療 - がんに対する外科治療・化学療法・放射線療法、臓器移植
・先天性心臓病
・支えてくれる周囲のネットワーク 家族、友人など。
フレイルの合併症
・免疫低下 - 病気にかかりやすく、回復も遅い
・怪我が治りにくい
・軽度の異常でも重症になりやすい
・治療選択の幅が狭くなる - ある種の治療や外科手術が安全にできなくなる
・種々の障がいの原因になる
・自立した生活ができなくなる
・生命予後の短縮
フレイルの診断
さまざまなものがあるが、どれが最適かという合意は得られていない。
よく用いられる5つの基準項目:
・何もしないのに痩せる -最近1年で4.5kg以上の体重減少
・握力の低下 - 同年代同姓と比べて。
参考:高齢者(65~79歳)の握力は、日本の最新データでは
男性でおおよそ30kg前後、女性でおおよそ20kg前後が平均値
・元気がない 長続きしない だるい
・体の動きが遅い 歩く速度が遅い
・活動レベルが低い(あまり動かない)
フレイルの対処法
・フレイルの原因となっているものを治療
・運動療法 - 運動・ストレッチ・筋力増強・柔軟性・可動性の改善 の組み合わせ
・特化したリハビリ - 呼吸器リハ、心臓リハ(運動・ストレス管理・栄養管理)
・栄養の改善
・集団で行う運動療法
・地域社会の支え
・老人ホームなどの施設
Dr Sumi
