フィリピンの人、とくにBCYCCやホストファミリーの人がなぜ優しいのか?それはどこから来るのだろうか?憎しみを抱いて当然なのに、なぜ優しいのか?フレンドシップタワー特使団に参加して、皮膚感覚で感じた感謝と素朴な疑問を現地の人々に尋ねてみた。
BCYFI財団(BCYCCの親にあたる財団)のジュリー・バンソン理事長はフィリピンのカルチャーであると同時に、フィリピンは暑いから、頭に血が上っていたらやってられないからだと、ホットウェザー(暑さ)とホットテンパー(短気)をかけての面白い回答をしてくれた。
ガイドのサイリーさんもスペイン統治時代からのカルチャーで、おもてなし・なんとかなる精神(タガログ語でマッキャン・アッラッラーというそうだ)だと答えてくれた。さらに神さまを信じているから何とかしてくれるという信仰と家族の支えがあるからだと、ご自分の体験を通して語ってくれた。
現地の二人の話を聞きながら、カルチャーがキーワードではないか考えた。単純すぎるかな?私は被植民地として虐げられてきて、表面上は相手に合わせてきたからではないかとの仮説を立てていたが、どうもそうではないらしい。もっと深いところにありそうだ。
それではフィリピンのカルチャーとは何だろうか。約300年にわたるスペインの統治で一番影響を受けたのはカトリックの信仰であろう。その後のアメリカ統治時代も信仰は許されていた。ご存知のようにアメリカはキリスト教中心の宗教国家だ。
神さまを信じているから何とかしてくれるという信仰が根底にあるからのように感じた。これは我々が信奉する法華経二十八番の四法成就と一緒である。「諸仏に護念せらるるを為」ると、全く同じである。仏さまに護られているということを、実感することが優しさの原点なら、我々と共通する土壌がある。だから50年も交流を続けることができたのではないだろうか。
改めて、開祖さまが発願した唯一の梵鐘であろう、フレンドシップタワーの鐘の銘の祈りを思い起こした。
フレンドシップタワーの鐘の音は 戦いに倒れ給うた方々の冥福を祈り
フレンドシップタワーの鐘の音は 友好と平和を願う われわれの心の輪を広げ
フレンドシップタワーの鐘の音は 地上に寂光土建設の妙なる調べとなりますように


