高血圧4  - 起立性低血圧

起立した時、または起立姿勢を保つ時に血圧が過度に下がる状態を起立性低血圧と言う。高齢者に多く、65歳以上では24%に見られる。

診断:
横になった状態から起立して1〜3分経過した時点で、下記のどちらか又は両者が起これば起立性低血圧と診断
・収縮期血圧(上)が20mmHg以上の低下  
・拡張期血圧(下)が10mmHg以上の低下

症状:
典型的には起立時に症状が出現するが、食後、暑い環境、長時間の起立などでも症状が出現しうる。脳の血流不足に起因し、回転感、フワフワ感、ふらつき感、立ちくらみ、血の気が引く感じ、目の前が暗くなる、倒れそうになる、目がかすむなどの症状がある。ひどいと失神をきたしたり、頻度は少ないものの狭心症や脳卒中を起こすこともある。一方で無症状も場合もある。

気づきにくい症状としては、全身が重くて動きにくい感覚、疲労感、頭の回転が鈍い、膝折などがある。後頭部から両肩にかけての痛みが立位で出現し、横になると改善する症候(コートハンガー頭痛)は50-90%の頻度で出現する。

原因:
・起立時の自律神経による調節の不具合
起立時には重力の影響で血液が下方に移動し,そのままだと脳貧血になる。正常では自律神経の働きにより重力の影響が最小限に抑えられるが、老化・パーキンソン病・認知症・糖尿病などで自律神経異常をきたすと、立位時に脳血流が不足して症状をきたす。

・脱水症
・薬の影響
降圧剤の副作用として見られることが多い
・高血圧
降圧剤により本症状が急性に出現するがある一方、高血圧が無治療または治療不十分だと起立性低血圧をきたすことがある。
原因-老化による自律神経の機能低下、高血圧に起因する夜間の脱水症、高血圧による血圧変動の増大
これらの場合、高血圧の治療により起立性低血圧が軽減する。
・心不全-例 大動脈弁狭窄、心外膜炎、不整脈

*uptodateの一部を和訳引用しました。薬の過剰に血圧が下がり過ぎる、環境が改善してストレスが減る、加齢による代謝機能低下により薬効が増強する、体重減少で高血圧が改善する等の場合には、降圧剤の減量を考慮する必要があります。

Dr. Sumi