頭痛は頻度が非常に多く大抵の人は一生のうちに何回も経験します。頭痛の中では緊張性頭痛が最も多く見られます。大半の頭痛は危険ではありませんが、重大な病気から頭痛が起こることもあります。
150種類を超える種類の頭痛がありますが、主なタイプは一次性頭痛・二次性頭痛の2つです。

一次性頭痛:頭の痛みを感じる神経が過敏な状態。
・緊張性頭痛(最も多い)
額やこめかみを締め付けるような痛み。肩や首の凝り、光や音に敏感。 首から頭にかけての筋肉が強く緊張するために生じる。多数の原因がある。
・偏頭痛(片頭痛)
片方に起こるズキズキした激しい痛み。身体を動かしたり光、音、強い臭いで痛みが増す。数日間動けなくなることもある。原因は複雑で脳内の多くの異常が関連している。
・群発頭痛
15分から3時間続く片方の強い痛みが数週間から数ヶ月の間は毎日起こる。1日のうちに何回も痛くなり、決まった時間に起こる傾向がある。視床下部(内分泌の中枢部)の異常が原因と推察されている。
・新規発症持続性連日性頭痛
まれ。原因不明でいつ起こるかわからない持続性の強い頭痛。通常の治療では効かない。
一次性頭痛には日常生活が誘因となる場合があります
・アルコール、とくに赤ワイン:抗酸化物質であるケルセチンがアルコール分解を抑制してアセトアルデヒドを増やすのが機序のひとつ。
・添加物として硝酸を含む加工肉など:硝酸が血管を広げる。
・ニコチン:血管を収縮させて痛み神経を刺激。
・睡眠の質の変化、睡眠不足:脳内ストレスにより痛みを感じやすくなる
・不良な姿勢:頚部や背部の筋肉を緊張させる
・運動:脳血流の増加、血圧の急速な変化、脱水、低血糖などが原因
・食事を抜く:低血糖が原因のことが多い
・咳、くしゃみ、鼻をかむ、力む(排便時など)、大笑い-大泣きする:頭の中の圧が高くなる

一次性頭痛は危険なものではありませんが、痛みがきついため日常生活に支障をきたすこともあります。
*低気圧も頭痛の原因になることがあります(healthline)
二次性頭痛
①必ずしも危険ではなく、原因が解決すれば痛みが消えるタイプ
・脱水症による頭痛ー脳が一時的に縮み、痛みの神経を引っ張って刺激する
・副鼻腔炎による頭痛ー副鼻腔内の炎症と圧の上昇
・薬剤の使いすぎによる頭痛ー痛み止めを使いすぎるために頭痛が起こる。治療には様々な工夫が必要。痛みの神経が過敏になるためか。
②危険なタイプ
・脊髄性頭痛ー脳脊髄の周りにある脳脊髄液が減って圧が下がるため。通常は脊髄液の検査の後に起こる。
・雷鳴頭痛ー突然に起こる極めて強い頭痛。強さは1分以内に最大となり5分以上は続く。緊急受診が必要。
ー頭部の外傷
ー脳内出血、クモ膜下出血
ー可逆性脳血管収縮症候群・・脳血管が一時的に強く収縮する。くも膜下出血、脳梗塞を合併することがある。脳血管が攣縮(けいれんのように収縮する)する原因は妊娠、薬剤など多岐にわたる
ー血圧の急激で著明な上昇
*下記のような場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
・突然に起こった激しい頭痛
・発熱、息切れ、首のこわばり、皮疹をともなう頭痛
・頭部外傷、事故にともなう頭痛
・55歳をすぎて新規に頭痛が発症
・神経症状を伴う頭痛
脱力感
めまい感
急にバランスが取れなくなる、転倒する
感覚が鈍くなる、手足が痺れる
麻痺
呂律が回らない
意識の混濁
けいれん
人柄が変化する、異常な行動
視力低下、二重に見える、視野の暗点
主にCleveland Clinic より引用・翻訳しました
Dr.Sumi
