今回は『徳島県小松島市田野町』▶︎【四国八十八ヶ所霊場/第18番札所-恩山寺(おんざんじ)】について紹介したいと思います。
《恩山寺(おんざんじ)の歴史・由来》
小松島市郊外の小高い山の樹林が心地よい、県指定の風致地区にある。縁起をたどると、創建は聖武(しょうむ)天皇〈在位724年〜749年〉の勅願(ちょくがん)により、行基菩薩(ぎょうきぼさつ)が草創(そうそう)して、当時は『大日山福生院密厳時(だいにちさんふっさいんみつごんじ)』と号した。本尊には行基菩薩(ぎょうきぼさつ)が【薬師如来像】を彫造して安置し、災厄悪疫(さいやくあくてき)を救う女人禁制の道場であった。十九番霊場に向かって下る『花折り坂』という坂から上には、女性が入ることは許されていなかったのである。延暦年間〈782年〜806年〉になって、『弘法大師』がこの寺で修行をしていたところという。大師の生母(せいぼ)・玉依御前(ぎょくいごぜん)が讃岐の善通寺から訪ねてきた。だが、寺は女人禁制、大師は山門近くの瀧にうたれて〔7日間〕の秘法を修し、女人解禁の祈願を成就して母君を迎えることができた。
やがて母君を剃髪(ていはつ)をして、その髪を奉納されたので、大師は山号寺名を『母養山恩山寺(ぼようざんおんざんじ)』と改め、自像を彫造して安置され『我が願いは末世界薄福(まつせはくふく)の衆生の難厄(なんやく)を除かん』と誓われた。弘仁(こうにん)5年《814年》頃のことと伝えられる。
寺は『天正の兵火』で焼失しているが、江戸時代になって阿波藩主の庇護(ひご)をうけて繁栄し、現在の本堂や大師堂は文化、文政年間《1804年〜1830年》ころに建立された由緒ある建造物である。境内には、玉依御前を祀る小堂があり、母君に孝養をつくして、大師が植樹した『びらんじゅ』は、県の天然記念物にもなっている。母君を慕(した)いつくした大師のこころが、いまも宿っているような寺である。
《恩山寺(おんざんじ)の見どころ》
玉依御前の剃髪所(ていはつじょ)・弘法大師像・『源義経上陸の地』石碑(境内の山裾にあり、近くの神社に義経が弓を引くいている銅像)
《恩山寺(おんざんじ)の年中行事》
【護摩祈祷】
日時:毎月1日、12日、20日
【奥之院金磯弁財天縁日】
日時:己己の日(つちのとみのひ、この日に参拝すれば財福が備わるとされます。)
是非‼︎四国八十八ヶ所巡り、お遍路さん気分で、参拝してみてはいかがでしょうか？
by てっちゃん