脳は変化する ― 脳細胞が持つ素晴らしい柔軟性・適応力

以前、人の脳細胞は子供の時期を過ぎて大人になると変化しなくなると考えられていましたが、ほんの数十年前これは真実ではないことがわかりました。脳細胞は生涯を通じて変化する能力があり、実際に変化しているのです。脳の変化は自由に形づくられるものであり、科学者はこれを脳の可塑(かそ)性 と呼びました。

脳の可塑性はどのように働くのでしょうか。

脳をダイナミックに変化する電気回路に例えてみます。私たちが何かを考えたり感じたり、何かをするたびに、数百億という脳細胞の電気回路に信号が流れます。電気回路の中には通りやすくなっている回路があります。私たちがいつもしていること、習慣的な考え方や感情の状態は太く通りやすい回路となっています。この回路は通りやすいので、脳は容易に実行できます。

一方、いつもとは違った考え方や新しい事をすると、私たちの脳信号は違う経路を通るために新しい経路ができます。この新しくできた経路を使い続けると、脳細胞はその経路を頻回に使うようになり、新しい考え方や感情、新しい事に慣れていきます。使われなくなった古い経路は次第に細く弱くなります。

私たちはみんな、脳細胞の神経回路を新しく形づくることのできる能力をもっています。

それまでの悪い習慣を改め、今までとは違う考え方をした場合、脳細胞は新しい神経回路にチェンジします。その行いを繰り返すことにより、脳はあなたの望む方向に変化していくのです。

Neuroplasticity Sentis から編集


Dr.Sumi