祖谷の小便小僧

祖谷の小便小僧

先日、妻と一緒に日本三大秘境の祖谷渓谷に行ってきた。

かずら橋から降って、対向車が来ると立往生するのではないかという細い道を通り抜けて、
「祖谷の小便小僧」まで訪ねて行った。なぜこの小さな像に人気があるのか?道中の難路を考えると、「よせばいいのに」という声が内心から湧いてきた。幸いに隘路での対向車は無く、不思議と広い道路ですれ違った。

やっとの思いで辿り着いたところ、車二台くらいしか駐車できない。香港からレンタカーを借りてきたという親子連れがいた。挨拶すると、何度も日本には来ているのだという。円安の効果であろう。

さて、小便小僧と背景の緑豊かな森林の風景を見ていると、何故か「涅槃寂静」という三法印の教えが浮かんだ。諸行は無常であり、諸法は無我である自然の中で、ゆったりとした景色と、心おきなく放尿する小僧のマッチングこそ、心癒される調和した世界を感じた。このアンバランスな感覚が人気の秘密かなと一人納得したのであった。